安全保障政策はしばしば国民世論だけでなく、近隣諸国、世界の世論も動かす為、特定の方向に意図を持った政治勢力によって安全保障が政争の道具に使われる事がしばしばある。
"文明の衝突"の著者である サミュエル・P・ハンティントンは、かつてソ連崩壊後に新たな脅威を探し、日米間の貿易摩擦を取り上げ、日本を経済的な敵と仮定し、経済戦争が生じ経済安全保障が必要だと提起した。これによって日米間の関係が崩壊する程度までは行かなかったが、極めて深刻な意見の対立が生じた。なお、経済安全保障ではスピンオフが今後期待出来ないとし、特に石原慎太郎著作の「NOと言える日本」はアメリカの安全保障研究者の多くを刺激した。石原慎太郎の指摘するアメリカ軍が日本の高度な軍事技術に依存している点に、安全保障上の問題があるとして高度な技術は全て国産にすべきとの考え方がアメリカに広まった。しかしそれを実現するには自由貿易を否定し、保護主義を強化しなければならない為、結果として経済的衰退を招くことが判明し、現在、経済安全保障の議論は低迷している。その後、ハンティントンは新たな脅威を探し、中国脅威論を提起し、その次は宗教対立、文明の衝突と言う脅威を提起した。ハンティントンの論が間違っていると言う事ではなく、安全保障研究を行っている人々は脅威を「探し出し」「煽る」傾向にあると言う事を差し引いて物事を見なければならない。
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基本的人権や言論の自由の抑圧、弾圧などにも治安や安全保障上の名分が使われる事がある。